小野寺 様、高橋 様、皆様 小田原の久保寺です。 小野寺さん、興味深いお話ありがとうございます。連続測光(もちろん眼視観測でも) していると途中で空の状況が変化するのは、測定誤差を大きくしたり、観測そのものが 不能になったり、いろいろ考えさせられます。 お話にもあったように雲が通過したり、薄雲が出たり、透明度が変化したり、・・・ 。激変星のモニタリングをされている方々のコメントを見ていると、そのご苦労が見て とれます。私など、いい加減なもので、『いい夜空でないと観測しない』に徹していま す(笑) 測定誤差を大きくするものは雲の影響以外にも、たくさんあります。低高度であった り、薄明の中であったり、光学系の周辺減光やレデューサーなどについた埃、眼視観測 ではなかったような、測定中の変光星の近くを人工衛星などが通過したり、受光素子の ピクセルのばらつき、受光素子の分光感度特性とフィルター、そもそも受光素子の直線 性、ガイドのずれ(最近はない)など、上げ出したらきりがありません。いろいろな誤差 の発生が最小限になるように光電測光されている方たちは工夫して測光されているのだ と思います。 実は、雲の通過とか、薄雲の発生や透明度の変化は、けっこう簡単にわかります。私 が頑張ってわかるのではなく、測光ソフトがとても優秀で、『このデータは、誤差が多 いよ!』と教えてくれます。いろいろな方法で教えてくれるのですが、私の場合、はじ めに目に飛び込んでくるのが、光度曲線の中に現れた測定値のエラーバーです。添付し た光度曲線(昨夜の SS CYGの変化)の測定値の上下のバーです。中央付近の時間帯は ±0.015等ほどですが、グラフを拡大して見ていただくとわかるとおり、はじめの20分 間ほどは、±0.05等ほどです。これは、高度が30度以下の低空のためです。さらにグラ フ下の最後の方は、薄明近くで素子が飽和する20分ほど前からやはり、測定誤差が± 0.05等ほどになっています。このあたりのデータは、私的には、使用の限界です。(ど うしてもと言うときは、しかたありませんが) そんな優秀な測光ソフトのおかげで、雲が通過したり透明度が変化したりしたときは 、たちどころにエラーバーが長くなり、光度曲線が乱れ、時には測定値が現れなくなり ます。そんなときは、グラフ上の異常な測定値のドットをクリックすると測定の画像が 現れますので、一連の測定プロジェクトからはじきます。このはじき出すところは、人 間の判断です。私など、その異常値のある時間帯は、まとめではじき出してしまいます が、以前そのあたりをはじき出すのにスイスの笠井さんは、悩みながらされているコメ ントを見て共感しました。さすが繊細な音楽家 笠井さんです。 (※昨夜は残念ながら?、雲が現れなかったようです(笑)。) 光学系の周辺減光やレデューサーなどについた埃など、測定にかなり大きな影響を出 します。特に私のように無理して短焦点にしていたり、ずぼらで光学系のメンテナンス してないとか、頭を望遠鏡によくぶつけるとか、子午線反転しないでポールに鏡筒ぶつ けて(最近はしてない)光軸狂わせるとか、周辺減光以外ほとんど私の責任ですが、測 定誤差の発生原因です。こまめ(ここ大事)にフラットフレームを作って補正してしま います。以前、永井さんから、『最低限、フラット補正は忘れるな!』ときつく言われ ています。フラット補正は魔法の薬ですが、続けているとホントにどうしようもないく らい光軸がずれていたり、いい加減な観測態度になったりしますから、要注意です。 私の機材は古いので、受光素子は小さく視野は狭いですし、転送速度は3秒/1画像も かかります。さらにピクセルのばらつきもあり、暗い星以外は、多少(数値的ではあり ませんが)ピントをずらせてばらつきの影響を少なくします。(たくさんのピクセルに 受光させてばらつきを目立たなくさせる感じ。時には、明るい星の飽和を遅らせてくれ ます。) そんなこんなで、愚痴のようなことが、次から次に出てきます。長くなりましたので 、このあたりで。 久保寺(Kub) 小田原市
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