野上 様 藤井@FKOです。 御多忙中詳細に御検討くださり、ありがとうございます! 大変勉強になりありがたいです。 > 実はこの修正をすると、スペクトルはさらにきれいに 「低電離の Fe II-rich > spectrum」 にまとまります。これは天体分類上も重要です。 そうでしたか。弱い輝線も含め、無理に同定し過ぎ誤った判断が多くなりました・・・。 > もし元の1次元スペクトルデータ(波長・flux の CSV/FITS)があれば、 > 各ピークの実測中心波長を拾って、±数Å以内に候補線を網羅的に照合できます。 それではお言葉に甘え、FITSファイルですが添付させていただきます。 よろしくお願いします。 VSXを覗いてみますと確定されていませんが、FF: とか記載されていますね。 ヘリウムフラッシュの場合でも、強い水素輝線が見えるのでしょうか? --------------- > こんにちは。野上です。ご無沙汰しております。 > > 面白そうだなと思って、勝手ながら藤井さんのスペクトル画像を > ChatGPT に渡して、診断をしてもらいました。結論としては、 > 極めて初期のFe II 型古典新星では?ということなのですが、 > 線幅が非常に狭くて自信が持てない、という感じのようです。 > 他の候補として共生星新星か矮新星か、と言っていますが、 > 矮新星はさすがにないだろうと思います。 > > 今後スペクトルと光度がどうなるか注目です。 > > ついでに、輝線の同定を検証してもらったところ、以下の回答でした。 > ---------------------------- > 大筋では合っていますが、いくつかはかなり怪しいです。図を拡大して > 見直すと、確実度を分けて扱った方がよいと思います。 > > まず、かなり安心してよさそうなのは Balmer 系列(Hα, Hβ, Hγ)と > He I 4713, 4922, 5016, 5876, 6678, 7065, 7281、それから > Fe II multiplet 42 の 5169 Åと、5198, 5235, 5276, 5317 Å 付近の > Fe II 群です。Si II 6347, 6371 も位置的にはかなり自然です。これらは > スペクトル全体の低電離・Fe II-rich な性格とも整合します。 > > 一方で、私は以下は再検討します。 > - [N III] 5755:これはほぼ確実に誤りです。5755 Å の代表的禁制線は > [N II] 5755 です。 > - [Fe VIII] 5721:5721 Å の有名なコロナ線はむしろ [Fe VII] 5721 です。 > したがってイオン段階の誤記の可能性が高いです。 > - [Fe VII] 6086:波長自体は [Fe VII] 6087 として妥当ですが、今回の > ような He II が弱く Fe II が強い低電離スペクトルで、本当に > [Fe VII] が出ているかはかなり慎重に見るべきです。 > - [Ar X] 5533:これは特に怪しいです。[Ar X] は極めて高電離のコロナ線 > なので、もし本物ならスペクトル全体の励起状態とかなり矛盾します。 > 現段階では「未同定線」として残した方が安全だと思います。 > - [O III] 4959, 5007:波長位置と 5007/4959 の組はそれらしく見えますが、 > 爆発直後の非常に高密度な nova ejecta で強い [O III] が出るのは > 普通ではありません。周囲の H II 領域や diffuse Galactic emission の > 混入、あるいは別線とのブレンドも疑いたいです。 > > 特に重要なのは、高電離禁制線の同定をいったん外してみることだと思います。 > 現在のラベルのままだと、同じスペクトルの中に Fe II が大量にありながら > [Ar X]、[Fe VII]/[Fe VIII] まで存在することになり、物理的にはかなり > 奇妙です。 > > また、4638 Å を N III 4638 としている点もやや慎重に見たいです。 > N III 4634-4641 の Bowen blend は He II 4686 が強い高励起状態で > 目立つことが多いので、このスペクトルでは少し不自然です。単独で > N III と確定するには弱いと思います。 > > 私なら図のラベルを、現段階ではこんな感じに整理します。 > 確実 > H I、He I、Si II、主要な Fe II > かなり有力 > Fe II の弱い multiplet 群、N II 5679 > 要確認 > He II 4686、[O III] 4959/5007、[Fe VII] 5721/6087 > 現状では外した方がよさそう > [Ar X] 5533、[N III] 5755(→ [N II] 5755) > とします。 > > 実はこの修正をすると、スペクトルはさらにきれいに 「低電離の Fe II-rich > spectrum」 にまとまります。これは天体分類上も重要です。 > > もし元の1次元スペクトルデータ(波長・flux の CSV/FITS)があれば、 > 各ピークの実測中心波長を拾って、±数Å以内に候補線を網羅的に照合できます。 > そうすれば、図を目で見るよりかなり厳密に「この同定は○、これはX」と > チェックできます。 > ------------------------------- > > よろしくお願いします。 > > 野上大作 藤井 貢 fkobs@sky.plala.or.jp https://otobs.org/FBO/
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